コラム

債務整理をすると保証人にはどんな影響が出る?

保証人の居る借金を債務整理する時、保証人にはどんな影響が出るのか不安に思われる方も少なくありません。

そこで今回は保証人の居る借金やその債務整理をしたい時、どのような影響が出るのか?どんな対応をすべきか?というのをご紹介します。

保証人に影響の少ない債務整理

債務整理はいくつかの種類があり債務整理の方法によって保証人への影響度合いも大きく変わります。

そのため保証人の居る債務整理をする場合は保証人との話し合いや方法の検討が重要ですが、もし債務整理を行う場合は話し合いによる任意手続きが出来る”任意整理”がおすすめです。

任意整理は対象の借金を選べる

任意整理は“どの債務整理をするか選択できる”ため保証人の居る借金を任意整理から外すことが出来ます。

それによって保証人の居る債務整理をやらず、保証人に迷惑をかけない方法もあります。

また裁判所を通さず誰でも簡単に出来る手続きでもあります。

保証人と連盟で債務整理を行う

保証人の居る借金を債務整理すると債権者からの請求は保証人に行きますが保証人と連盟で債務整理を行う事によって借金の請求を避けることも可能です。

但し債務整理をすると債務者だけでなく保証人も信用機関に信用事故情報が載る(ブラックリストの状態)ので注意が必要です。

自己破産や個人再生は影響が大きい

借金の返済が困難になった時”借金を免責出来る自己破産”や”借金を5分の1まで圧縮できる個人再生”は効果の大きいものですが効果の大きいものほど保証人への影響は大きくなります。

保証人との関係や現状と相談しながら債務整理は検討していく必要があると言えます。

もし債務整理をしたらどうなる?

もし保証人の居る借金を債務整理をした場合、どんな流れでどんな影響がでるのかをここでご紹介します。

①債務者への取立てが止まる

債務整理をすると債務者への督促(取立て)が法律上禁止されますので司法書士の介入通知が届いた時点ですぐに債務者への取立ては止まります。

②保証人へ請求がいく

債務整理を行った債務者への督促は法律上禁止されますが、債務整理を行っていない保証人はこの対象ではありません。そのため保証人へ請求・督促行きます。

また保証人制度は万が一債務者が支払えなくなった時に備える制度のため保証人には支払いの義務が生じます。

③保証人への一括請求

借入時に債務者との契約上・返済が滞った場合は期限の利益(分割して支払う権利)を失う事になっているため保証人には一括で支払うよう請求が届きます。

連帯保証人はより重い責任を課される

借金時に契約を結ぶ保証人ですがその契約の多くは”連帯保証人”として契約が結ばれています。

実は保証人制度には”保証人”と”連帯保証人”があり連帯保証人は3つの抗弁権を失うためより重い責任を課されるため注意が必要です。

催告の抗弁権

債権者から催告が来た場合、保証人は債務者に催告するよう債権者に言える権利の事を催告の抗弁権と言います。

ですが連帯保証人の場合”催告の抗弁権”を持たないため催告が来たら返済に応じなければなりません。

検索の抗弁権

債務者が返済できる資力があるにも関わらず返済を拒否し保証人に催告が来た場合、保証人は債権者に対し債務者の資力を調べるよう言える権利(検索の抗弁)があります。

ですが連帯保証人の場合この権利を持たないため催告に応じる義務があります。

分別の利益

複数人の保証人がいる場合は借入額を頭数で割り、一人当たりの返済額に到達すれば責務から開放される権利(分別の利益)を持ちます。

ですが連帯保証人の場合この一人頭の額で割る事ができず全員の総額が返済額を満たすまで返済の責務を負う事になります。

 

このように連帯保証人は債務者とほぼ同等の責任を負うため、債務整理をする際には十分な話し合いや注意を払う必要があります。

保証人の居る債務整理の疑問3つ

保証人への影響を上記しましたが保証人の居る借金の債務整理の”よくある質問3つ”をご紹介します。

Q.もしも保証人が払えない場合はどうなる?

保証人が一括の請求額を支払えない時、債権者との交渉次第では分割払いにすることも出来ますが最悪・保証人も債務整理を行う必要があります。

また保証人がそもそも請求に対して支払えない場合は債務者が債務整理をすると同時に債務整理をすることを勧めます。

Q.保証人の求償権はある?

他人の債務を変わりに支払った人が肩代わりをした人に後で返すよう請求する権利を求償権と言いますが、特に自己破産など債務整理の手段によって”返済能力が皆無”という事が示されているので保証人は求償権を行使できない・しても返済の約束は出来ない(意味がない)ということになります。

妻が保証人。夫婦で自己破産をすると…?

奥様が保証人で夫婦ともに自己破産をされるケースもありますが、この場合借金が全て0になるので生活の再建を図る事が出来るという考え方も出来ます。

まとめ

最後におさらいをしていきましょう。

保証人の影響が少ない債務整理方法

・任意整理(保証人のある借金を債務整理しない)
・保証人と連盟で債務整理を行う方法

もし債務整理をしたらどうなる?

債務者への取立ては止まりますが保証人はその対象では無いため保証人には請求が行きます。

その時保証人は一括支払いでの返済義務を負うことになります。

連帯保証人はより重い責任を課される

現在では連帯保証人での契約がほとんどですが連帯保証人は以下3つの抗弁を失うため債務者とほぼ同じ責任を負います。

・催告の抗弁権

・検索の抗弁権

・分別の利益

さいごに

上記したように保証人の居る借金の債務整理は注意すべき点がいくつかあります。

ですが保証人が居るからと債務整理を諦める必要は無く債務整理には様々な種類の手続きがあるため保証人が居てもできる債務整理の手段を探すことが重要です。

債務整理は今後、生活を立て直すために必ず重要な起点となります。

まずはご自身の状況や希望を債務整理のプロに相談してみませんか?

ご自身の今の状況からでもなにか新しい方法が見つかるかもしれません。無料で相談できるのでまずはこちらからお気軽にご相談ください。

関連記事

  1. 債務整理をすると家族に影響が出る?ライフイベントはどうなる?

  2. 3分でわかる!おまとめローンや借金一本化のメリット・デメリット

  3. 5分でわかる!結婚前に債務整理をした場合、結婚・配偶者への影響まとめ

  4. 借金にも時効があるってホント?消滅時効援用って何?

  5. 自己破産中に絶対してはいけない!注意すべきNG行為とは?

  6. 過払い金、過払い金請求とは?

    過払い金、過払い金請求とは?

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP